Shopifyにおけるアクションポイントの考え方

Shopifyにおけるアクションポイントの考え方

本コラムでは、「VIP-会員プログラム」とShopify Flowを利用して、商品購入以外の顧客アクションに対してポイントを付与する「アクションポイント」の実現方法について解説します。VIPは、私が所属している株式会社Stackが提供しているShopify Appsで、店舗・EC・モバイルアプリ共通のポイントや会員ランク、ポイントギフトや友達紹介などに対応するロイヤルティプログラム構築パッケージです。

昨今、新規顧客の獲得コストが高騰する中で、既存顧客のエンゲージメントを高めるリテンションマーケティングの重要性が増しています。その有効な手段の一つが、購入金額に応じたポイント還元だけでなく、ブランドへの貢献や接点を持つ「アクション」自体にインセンティブを付与する「アクションポイント」の仕組みです。

Shopify標準の機能だけでは、購入以外のアクションをトリガーにしてポイントを付与することは困難です。しかし、「VIP-会員プログラム」とShopifyの自動化ツール「Shopify Flow」を組み合わせることで、顧客の多様なアクションを検知し、柔軟にポイントを付与することが可能になります。今回はこの連携がいかに強力か、具体的な設定例を交えて紹介します。

想定するアクションポイントの要件

  • 単なる「商品購入」以外のアクション(レビュー投稿、LINE連携、来店など)をした顧客にポイントを付与したい
  • 外部アプリ(レビューアプリやLINE連携アプリなど)での行動を検知して、自動でポイント残高に反映させたい
  • 手動でのポイント付与作業をなくし、運用コストを削減したい

大まかな手順

  • Shopify Flowをインストールし、ワークフローを作成する
  • トリガーとして、対象となる顧客アクション(外部アプリのイベントやQRコードスキャンなど)を設定する
  • アクションとして、VIPの「ポイントを追加する」を設定し、付与するポイント数を指定する
  • ワークフローを有効化し、動作検証を行う

代表的なアクションポイント事例と設定イメージ

ここでは、Shopify FlowとVIPを連携して実現できる代表的なアクションポイントの事例をご紹介します。これをマスターすることによって、最終的には以下の「Ankerマイレージプログラム」のようなアクション一覧の提供を実現することを目指します。なおこのように、LP等にアクションリストをまとめて公開することをお忘れなく。ユーザーが認識して初めてアクションポイントに意味が生まれることを忘れてはいけません。

アンカー・ジャパン社が提供する「Ankerマイレージプログラム

事例1:商品レビューを投稿したらポイント付与

レビュー投稿は購買意思決定に直結するUGCを生み出すと同時に、投稿者自身のブランドへの愛着を高める効果があります。ポイントを付与することで投稿率が向上し、新規顧客の獲得コスト削減にも貢献するので、是非設定しておきたい施策です。

使用できるアプリ例

  1. Prime Review
  2. LEEEP
  3. Judge me

各アプリがレビューの投稿や承認をトリガーとして提供していて、そのトリガーにCustomer情報が含まれていれば大抵のアプリで実現可能です。Shopify Flowのトリガーが提供されていないアプリでも、レビューを投稿した顧客に対してタグを付与するといったものも存在するため、「Customer tags added」などをトリガーにしてポイント付与アクションにつないでも良いかもしれません。

レビューアプリが持つConditionによって、例えば画像あるなしで分岐が可能

事例2:LINEのID連携を完了したら初回限定でポイント付与

LINEは日本国内で9,700万人以上が利用するコミュニケーションインフラです。ID連携を完了した顧客は、プッシュ通知やセグメント配信など、より精度の高いCRM施策のターゲットになります。つまり、LINE連携ポイントは「顧客との接点を広げるための初期投資」と捉えることができます。一度連携してもらえれば、その後のリピート促進・休眠顧客の掘り起こしなど、長期的なLTV向上施策の土台になりますので、LINEを軸にCRMを運用している場合、是非設定しておきましょう。

使用できるアプリ例

  1. CRM PLUS on LINE

Shopify × LINEの文脈では圧倒的なシェアを持つCRM PLUS on LINEですが、LINE ID連携をトリガーにポイント付与は定番施策として提供されています。具体的なユースケースは彼らのオウンドメディアに詳しくまとまっているので、是非ご覧ください。

▶ LINE公式アカウント徹底活用ブログ | Shopify LINE連携

事例3:店舗やイベント会場で専用QRコードをスキャン(チェックイン)したら来店ポイント付与

ECと実店舗の顧客データを統合するOMO戦略において、「来店」というオフラインのアクションをデジタルで捕捉することは長年の課題でした。QRコードを活用した来店ポイントは、この課題をシンプルに解決します。来店した顧客がスマートフォンでQRをスキャンするだけで自動的にポイントが付与されるため、スタッフの手間もゼロです。

使用できるアプリ例

  1. Appify
  2. OmniHub

例えば、Stackが提供している「Appify-モバイルアプリ」や、リワイア社が提供するスマレジ連携アプリ「OmniHub」などは、QRコードのスキャンをトリガーにアクションを設計できます。また、スタンプラリー形式にアレンジすることで、複数店舗への来店促進や、イベントへの参加エンゲージメントを高める施策としても活用できます。実店舗の売上比率向上を目指すブランドにとって、最も即効性の高いアクションポイント施策の一つです。

事例4:お客様のプロフィール情報の更新・追記をトリガーにポイント付与

誕生日や性別などのプロフィール情報は、パーソナライズされたCRM施策を実現するための重要なファーストパーティデータです。しかし、登録時に任意入力にしていると、多くの顧客はスキップしてしまいます。ポイントを付与することで、顧客が自発的に情報を提供するインセンティブが生まれます。特に、Shopifyの新しいカスタマーアカウントへの移行タイミングは、プロフィール情報の収集を促す絶好の機会です。誕生日情報が取得できれば、誕生日月のバースデークーポン配信など、高い開封率・CVRが期待できるパーソナライズ施策に繋げることができます。

使用できるアプリ例

  1. 新しいお客様アカウント 会員登録フォーム ‑ メタシンク

Alquimista社が提供している「新しいお客様アカウント 会員登録フォーム ‑ メタシンク」とVIPを組み合わせると、お客様が「サンクスページ」「プロフィールページ」「注文状況ページ」等で、誕生日情報やその他ユニーク情報を提供してくれたことをきっかけにポイントを付与することができます。

 ▶ VIP - 会員プログラム向け誕生日設定方法

VIP - 会員プログラム向け誕生日設定方法より引用

Shopify FlowからVIPへポイントを付与する基本設定

どのアクションをトリガーにする場合でも、VIPへポイントを付与する基本のアクション設定は共通です。ここでは、Shopify Flowの画面からVIPのポイント付与アクションを設定する方法を解説します。

手順1. Shopify Flowのトリガーを設定する

連携したい外部アプリ(例:レビューアプリ)や、VIP・Appifyが提供しているShopify Flowのトリガーを選択します。たとえば来店ポイントであればAppifyが提供している「Customer scanned 2D barcode(カスタマーが特定のQRコードをスキャンした)」などを設定します。

手順2. アクションにVIPの「ポイントを追加する」を選択する

トリガーに続くアクションとして、「VIP」のアプリを選択し、「ポイントを追加する」の項目を選びます。

手順3. 付与するポイント数と付与理由を設定する

「ポイントを追加する」の詳細設定画面で、付与したいポイント数(Points)と、お客様のマイページのポイント履歴に表示される文言(Reason)を入力します。ここで設定したReasonが、そのままマイページの「ポイント獲得履歴」に表示されます。誰に付与するかはトリガーを発火したCustomerを変数で指定したいので{{customer.id}}とおきましょう。有効期限を設定したら完了です。

設定が完了したらワークフローを保存し、有効化してください。これで、指定したアクションが完了した瞬間に、ポイントが24時間自動で付与されるようになります。

まとめ

「VIP-会員プログラム」と「Shopify Flow」を利用して、購入以外のアクションにポイントを付与する「アクションポイント」を実現する方法について説明しました。Shopifyの強力なエコシステムであるShopify Flowに完全対応しているからこそ、外部ツールのデータ連携もノーコードで比較的簡単に設定できる点がVIPの大きな強みです。

アクションポイントの仕組みを使いこなすと、お客様に「ポイント=値引きの原資」という機能的な価値だけでなく、ブランドと関わる楽しさを提供でき、結果としてLTVの向上に繋がります。また、運用担当者の手動付与の手間を気にすることなく、様々なマーケティング施策に挑戦できるという点も魅力的です。

次回はこの機能をさらに応用し、貯まったポイントを限定グッズや体験と交換する「リワードプログラム」の設計方法についてご紹介したいと思います。次回のコラムもお楽しみに!

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