アメリカ発のアウトドアギアブランド「Cotopaxi」はユニークなカラーリングと高い機能性を兼ね備えたプロダクトで、日本国内でも急速に人気を拡大しています。その象徴とも言えるのが、「Del Día(デルディア)」シリーズ。世界中の工場で余った高品質な端材やデッドストック生地を活用しながら、職人が自由な感性で縫製する「1点モノ」のプロダクトです。
同じカラーは二つと存在しない。 届くまでどんな色かわからない。一般的なブランドとは少し異なるその販売体験は日本国内でも熱量の高いファンを生み続けています。そして今、Cotopaxiは店舗・EC・アプリを横断しながら、独自のコミュニティ形成を進めています。
「なぜCotopaxiでは、店舗とECが分断されないのか」
その背景には、「Gear for Good」という思想への共感を軸に、熱量の高いコミュニティが形成されていたこと。そして、その熱量を店舗とECを横断して増幅していくチームと仕組みの存在がありました。
商品の魅力からブランドの思想へ。「Gear for Good」を自然に伝える店舗とECの役割
ー「Gear for Good」という強いコンセプトに対し、お客様の反応はいかがでしょうか。「商品の良さ(デザイン・機能)」が入り口となっている場合、コンセプトの伝え方の工夫を教えてください。
最初から理念に共感して購入される方は少なくて、Del Díaシリーズの商品の見た目や「1点モノ」感から入られる方が多いですね。その中で、購入後にECサイトを閲覧されたり、実店舗でスタッフがブランド背景をお伝えする中でブランド自体のファンになって頂く、という流れが多い印象です。
ですから、最初からメッセージを強く打ち出すというよりは、まずは商品体験を入口にしながらサイトコンテンツや店舗接客、SNSなどを通じて自然にブランドストーリーへ触れて頂くことを意識しています。
ーブランド背景を伝える上で、店舗はかなり重要な接点になっていそうですね。
リテールの観点で言うと、まず第一に「店舗そのものがブランド表現の場」だと思っています。理念を伝えるPOPやビジュアルもそうですし、スタッフがどうプレゼンテーションできるかも含めて店舗体験だと考えています。
もちろんECやアプリなどデジタル上での訴求も重要なのですが、店舗を最終的な「受け皿」として位置付けています。ですから、店舗ビジュアル・接客・デジタル、全てをセットで提案していくよう意識しています。
ーブランド体験を統一するために、店舗運営で意識されているルールや指針はありますか?
全体でのルール設定はあるのですが、店舗が持っている自由度はかなり高いと思います。商品の展開についても、立ち上げ時以降は各店舗の判断に任せている部分も多いです。店舗ごとに立地特性やお客様層、受け入れられるペルソナも違うので、「その地域に合ったCotopaxi」を各店舗で作っていく感覚に近いですね。

実店舗を「ブランド世界観の体感の場」とし、ポップアップから常設店へ展開
ー新規のお客様にストーリーを伝える上で、最も重視しているチャネルは何でしょうか。
先述しました通り、実店舗はブランドの世界観を体感して頂く最も重要な接点なのですが、特にDel Díaシリーズは実際に手に取って「自分だけのカラー」を探す楽しさがあるので、店舗体験との相性が非常に良いのです。
また、イベント開催についても単なる販売ではなく、コミュニティ形成やブランドカルチャーへの共感を深める役割を担っています。このようなイベントを含めたリアルな接点がブランド理解を深める大きなきっかけになっていると感じています。
さらに、店舗でお待ちしているだけではなかなか新しい方と出会うことができませんので、前段階として各地でポップアップショップを開催しています。その地域を知ること、地盤を作ることを先に行った上で、その後に常設店へ発展していくという流れです。
まずは主要5大都市をマーケティング対象として考えているのですが、今回新しくオープンした名古屋店についても、実は出店前に2回ポップアップを行っています。

ーイベントについてはかなりコミュニティ形成を意識されている印象があります。
店舗では毎月クリーン活動も行っていて、近隣の方やリピーターの方と一緒に活動する機会を作っています。店舗単体だとどうしてもできることには限界があるので、PRチームと連携しながらイベントを企画しています。例えば登山イベントを実施したり、インフルエンサーさんと自然の中を巡るツアーを行ったりしたこともあります。

Cotopaxiは、「自由な組み合わせ」というイメージを持ってくださっている方も多いので、店舗周年イベントでは、その場で製品にワッペンを付けて、世界に一つのものを「さらに特別なものにする」ような企画やワークショップも開催しました。

ーその情報発信は、SNSやアプリとも連動しているんですか?
はい。メルマガ・アプリ・SNSは全て連動しています。情報解禁日なども揃えながら、なるべく横断的に発信していますね。SNS担当もいますので、全体でタイミングを合わせながらブランドとしてどう伝えるかを意識しています。
1点モノが生み出す「お客様発信の口コミ」と、EC・アプリでのレビュー強化
ーDel Día シリーズのように、職人の感性に委ねるユニークな体制がありますが、こうした「作り手のストーリー」を販売戦略や販促コンテンツにどのように活用されていますか。
WEBでの発信はもちろんですが、それ以上に『お客様発信の口コミ』が絶大な効果を生んでいます。1点モノだからこそ、Instagramでご自身のDel Díaアイテムを自発的に投稿してくださる方が本当に多いんです。
さらにリアルな場では、街中でCotopaxiのバッグを持っているのを見かけて見知らぬ人同士の会話が生まれ、それがきっかけでそのまま店舗に足を運んでくださる、というケースまであります。
私たちのストーリーがお客様同士をつなぎ、リアルなコミュニティとして広がっているのを感じます。
ー街中での偶然の出会いから店舗につながったり、SNSで自発的なシェアが起きたりと、すでに凄まじいコミュニティの熱量があるのですね。今後は、そのように人と人、人と商品をつなぐ『口コミやレビュー』の力を、自社のECサイトやアプリ上ではどのように強化していかれる予定ですか?
現状は、Googleマップの口コミなどを中心に活用していますが、今後はECサイトやアプリ上でも、この『商品軸の口コミ』をさらに強化していきたいと考えています。
具体的には、スタッフが実際に商品を使ったリアルなレビューなども発信していく予定です。リアルな街中やSNSで起きているような熱いつながりや安心感を、自社ECの上でも再現し、購入を迷われているお客様がいつでも参考にできるような場所にしていきたいです。
ー「どんな色が届くかわからない」というのも特殊な体験ですよね。
スタッフ側も、箱を開けるまでどんな色かわからないんです(笑)なので『今回はどんな色が来るんだろう』と毎回楽しみにしています。好きな配色が入っていたら、「これ早く店頭に出したいね」みたいな話にもなりますし、本当にお客様と同じ感覚です。
ー商品の選別などは、日本側では行っているのでしょうか?
基本的にはしていないですね。工場側でのルールも「1つとして同じ配色にならないように」というもので、本当に職人さんの感性なんです。でも、それがCotopaxiの面白さでもあるので。「どんなものが届くかわからない」ということ自体を、皆様楽しんでくださっている感覚があります。

ー工場に残った端材・残布を活用する場合、本来のコンセプトを維持しながら供給を安定させるための対策などはありますか。
Del Díaシリーズを通じて84万600ヤード(約768.6km分)ものデッドストック生地を廃棄から救い出しています。これは東京ドーム約25個分に相当する膨大な量であり、これだけの規模の素材を確保・管理することで、量産ラインの稼働を維持しています 。
【2025年の実績】
●推定 211,419人
Cotopaxi基金のパートナーを通じて支援を届けた、貧困下にある人々の数
●1,000,000ドル(約1.5億円)以上
貧困をなくすための活動として、コトパクシ基金に割り当てられた金額
●84万600ヤード(約768.6km分)
Del Díaシリーズを通じて廃棄から救われた、デッドストック生地
●100%
Cotopaxiの全製品に、デッドストック、リサイクル素材、または責任ある認証を受けた素材が含まれています。
ーECだと、「届くまで色がわからない」というのは不安要素にもなりそうですが、その点はどう工夫されていますか?
「選べない」ではなく「どんな色に出会えるかを楽しむ体験」として伝える、というのはかなり意識しています。メルマガ・アプリ・SNSでも「一期一会」という文脈で伝えることも多いです。
一方で、「自分で色を選びたい」というお客様も増えてきているので、今は人気のAllpaシリーズで実際のカラーを選べる販売ページも作っています。ただ、Cotopaxiとしては、「どんなカラーに出会えるかわからない」というワクワク感もブランド体験として重要だと考えていますので、その価値も残しながらバランスを取っていきたいです。
店舗とECの顧客情報を統合し、一貫したコミュニティ体験を作るためのアプリ導入
ー今回、AppifyとVIPを導入された背景についても伺わせてください。
以前からECはShopify、店舗はスマレジで運用していて、ほぼ別々で動いていたのですが、実店舗が増えていく中で「もっと横断的につながりたい」という課題感がありました。店舗にもECにもそれぞれコアなお客様がいる中で、もっと一貫したコミュニティ体験を作れないかと。
そこで会員情報を統合し、ECと店舗でコミュニケーションを円滑にする為にAppifyとVIPの導入を決めました。Cotopaxiはブランド背景を知って「コアファン」になってくださる方がすごく多いので、「お得感だけを訴求するアプリ」 にするのではなく、ブログや読み物コンテンツも含めて理念やストーリーに触れて頂ける接点にしたい、という想いがありました。
実際、Cotopaxiの公式アプリではブログやコンテンツ自体にも興味を持って頂けるお客様が多くて。だからこそ店舗とECをつなぎながら、アプリを最大限活用できるんじゃないかと考えています。
ーただ、そうなるとコンテンツ運営の負荷もかなり大きいですよね。
大変でした(笑)最初はWEBチームが主体となって更新していく流れだったのですが、一番商品の魅力を知っているのはやはり店舗スタッフなんですよね。それから店舗ごとに発信してもらうという方向に変わっていきました。 現在は各店舗で週1回のブログ更新に加えて、新作の入荷情報などもリアルタイムで発信しています。

ーよくそこまで店頭での運用が進みましたね。
ただ「アプリを作ります」という説明ではなく、「Cotopaxiとしてこういうブランド理念があって、アプリを通じてそれを伝えていきたい」という話をとても丁寧に共有したんです。
要は「なぜこのアプリをやるのか」「なぜ発信をするべきなのか」を、まずは店舗スタッフの皆さんとじっくり分かち合うところから始めたんです。ブランドの目指す姿に共感してもらった上で、 「だからこそ具体的にこういう発信をしていきたい」「みんなでブランドを作っていきたい」という形で、お互いの目線を合わせる場を作っていった感じです。
その結果、店舗スタッフもすごく前向きに参加してくれていて。そもそもCotopaxiが好きで入社しているスタッフも多いので、ブランドへの熱量が高いんです。だから「やらされている発信」ではなく、「自分たちが好きなものを伝えたい」という空気感が自然とできているのかなと思います。
店舗スタッフも接客だけでは伝えきれなかったことを、あとから思い出すことが多いみたいで。「これ言えばよかったな」とか、「この商品のここをもっと伝えたかったな」とか、自分で実際に製品を使ってみた中で感じたことをお客様に伝えたいという感覚で書いているんです。例えば、お手入れ方法だったり、自分で使って気づいたことだったり。本当に「売るために書いている」ではなく「伝えたくて書いている」感覚が大前提にあると思います。
もちろん更新内容を考えるのに苦労するタイミングもありますが、今は決まった書き方や構成を作りすぎず自由度高く発信してもらっているので、スタッフの個性も出ていて読んでいても面白いです。
スタッフ側からも「こういう機能が欲しい」とか「こういう発信をしたい」など、積極的に意見や要望が出てきます。アプリ導入後もアンケートやヒアリングを行っていて、改善できるものはすぐ改善するようにしています。
「Shopifyネイティブ」と手厚いサポート体制が、AppifyとVIP選定の決め手
ー数あるサービスの中で、AppifyとVIPを選んだ理由は何だったのでしょうか?
以前、社内の別サイトでアプリを運用していたことがあったのですが、Shopifyとの顧客情報の連携が上手くいかなかったという苦い経験がありました。その時の教訓があったからこそ、次こそは「Shopifyネイティブでやりたい」という想いがありました。
ちょうどそのタイミングで、社内でスマレジとShopifyを横断したOMO環境を整備していくフェーズになりまして。ECと店舗を横断した会員体験を、できるだけ一貫性を持って設計したいという考えもありました。
その中でStackさんとお話しさせて頂いて、まずレスポンスがすごく早かったんです(笑)最初に打ち合わせしてから、一度社内調整などで半年〜1年くらい期間が空いてしまったのですが、その後もう一度しっかり伴走してくださったのも印象に残っています。
Omni Hubとの連携もスムーズでしたし、VIPも一緒に導入できるので「やりたいことが一貫して実現できる」という感覚がありました。アプリ・会員プログラム・店舗連携まで含めて、既存構成との相性がすごく良かったんです。
加えて、Shopifyに関する知見共有や、制作・運用面でのサポートもかなり手厚くて。導入前から安心感を持ちながら進められたのは大きかったですね。
単なる値引きではない、ブランドへの参加感を醸成する「DO GOOD MEMBERS」
ー会員制度「DO GOOD MEMBERS」も、一般的なポイント施策とは少し違う印象があります。
Cotopaxiとしては、単なる「値引き還元」ではなく、ブランドとの継続的な関係性づくりを重視しています。そのため、ブランドへの参加感やコミュニティ性も意識しながら設計しています。
「DO GOOD MEMBERS」という名称自体にも、ブランドの価値観を共有するコミュニティという意味を込めています。「買ったからお得になる」ではなく「ブランドに参加してもらう」感覚を大事にしています。
例えば、クリーン活動への参加や店舗チェックインなど、「意味のある行動」にもポイントを付けています。都度店舗に足を運んでもらいたい、イベントに一緒に参加して頂きたい、という意味を込めています。
まだ最低限の機能からスタートした段階ではあるのですが、今後は他社にはあまりないような取り組みももっと追加していきたいですね。

ーチェックイン機能の利用率は高いのでしょうか?
アプリ提示率自体がすごく高くて、他社平均が20〜30%くらいと言われている中でCotopaxiは全店舗平均で50%以上あります。一番高い店舗だと70〜80%くらいですね。チェックイン機能に関しても単純に「ポイントを貯める」というより、「お店に来た記録を残していく」感覚で楽しんでくださっている方が多いです。本当に「仕事帰りに来たよ」と言いながら、10ポイント貯めて帰られる方もいます(笑)
店舗側としても気軽に立ち寄って頂けるのはすごく嬉しいですし、このような反応は「チェックインポイントがあります」と打ち出すだけでは成立しないと思うんです。入りづらい空間だったり、ブランドとの距離感が遠い状態ではなかなか機能しないですから。単純な販促機能というより「来たくなる場所」を作るための機能になっている感覚があります。コミュニティ形成の一つの接点になっているのかなと。

ルールで縛らず信頼して任せる、店舗スタッフの熱量を活かした情報発信
ー店舗・EC共通化にあたり、店舗オペレーションへの導入はスムーズに進みましたか。
各店舗へは導入前にマニュアルを作成し、説明会も実施しました。先述しました通り、操作方法だけではなく「なぜアプリを導入するのか」「どのような顧客体験を目指しているのか」という背景や目的もしっかり共有したことで、店舗との温度感もかなり合わせられたと思っています。
実際、店舗スタッフからもすごく前向きな意見や要望、質問が多くて。本当に積極的に使ってもらえている感覚があります。
今は店舗ごとに細かくセグメント配信も行っていて、各店舗から入荷情報やイベント情報、館のポイントアップ情報などを発信してもらっているんですが、それもかなり定着してきています。
ー具体的にはどのような内容を発信されているのでしょうか。また、店舗チームを巻き込んでいく上で工夫されていることはありますか。
単なる販促ではなく、「このタイミングで店舗に行きたくなる情報」を意識しています。例えば「今日こういう商品が入荷しました」とか、「今この店舗ではこういうイベントをやっています」とか、店舗ごとに内容が大きく違います。Cotopaxiは店舗ごとの個性がすごく出やすいブランドなので、「この館ではこういう楽しみ方があります」という発信も自然と増えていきました。
また、本部があれこれとルールを決めすぎなかったことも大きかったと感じています。各店舗のスタッフがそれぞれの言葉で自由に発信できるよう、運用の大部分を信頼して任せたことで、みんなが本当に楽しんで、前向きにコンテンツ作りに参加してくれています。
ーここまでお話を聞いていて、店舗とECの分断がほとんど無い印象を受けました。
確かに「店舗の売上」「ECの売上」みたいな競争感は全然ないですね。店舗イベントがあればEC側も積極的に発信しますし、EC施策も店舗側で紹介してくれます。
プッシュ通知のスケジュールも全部カレンダーで管理していて、「店舗側が配信していたらWEB側は外す」みたいな調整もしています。

ー新商品の入荷情報など、プッシュ通知を通じたお客様との接点において、どのような効果を感じていらっしゃいますか。
アプリは、スピーディーかつダイレクトに情報を届けられる点に手応えを感じています。特に新商品入荷の案内は反応率も高いですね。Cotopaxiのコアユーザーの方々は、ブランド理念や取り組みに共感してくださっている方も多いので、お得な情報だけではなく、ブランドの活動やブログなどの読み物コンテンツにも興味を持って頂いています。
特にDel Día シリーズは「1点モノ」という特性上、入荷タイミングとの出会いも魅力の一つなので、入荷情報をリアルタイムで届けられるのは、Cotopaxiとアプリの相性の良さを感じる部分ですね。実際、店舗には「アプリを見て来ました」というお客様もかなり増えています。
チェックイン機能を利用したプッシュ通知も、「お気に入り店舗登録」ではなく「実際に来店した人」に対して配信できるので、熱量の高いユーザーセグメントになっています。

部署間の壁をなくし、全員が同じ熱量でCotopaxiの価値観を届けていく
ー最後に、今後どのようなブランド体験を目指していきたいですか?
単純に「ブランドを広めたい」というよりは、Cotopaxiの背景や価値観まで理解した上で、好きになってもらえるブランドにしていきたいです。店舗・EC・アプリでまだまだやれることはたくさんありますので、それを通じてファンを増やしていきたいですね。
Cotopaxiは、私たちが一番のファンだと言えるくらい、本当にブランドのことが大好きなスタッフばかりなんです。だから部署間に壁を作らずに、「同じ熱量で同じ方向を向いていたい」という気持ちはすごくあります。毎月ブランドミーティングも行っているのですが、そこには店舗やECの担当者だけでなく、PRや営業、海外メーカー対応の担当者などすべての部署の代表メンバーが参加しています。

編集後記
今回のインタビューを通して特に印象的だったのは、Cotopaxiでは「店舗」と「EC」が競合していないことでした。
多くのブランドでは、OMOという言葉が「システム導入」「会員統合」を軸として語られがちです。しかし実際には、ツールを導入しただけで店舗とECの分断がなくなる訳ではありません。店頭では「店舗売上」が重視され、ECでは「オンライン売上」が追われる。その結果、同じブランドでありながら発信や顧客接点が分断されてしまうケースは少なくありません。
その中でCotopaxiは、ブランドの価値観を軸に、店舗・EC、そしてアプリやイベントが自然につながっていました。印象的だったのは、アプリ導入時に「操作方法」だけでなく、「なぜこのブランド体験を作りたいのか」から共有していたことです。だからこそ、店舗スタッフからも改善の声が自然と生まれ、ブログや店舗配信も「義務的なタスク」ではなく、「好きだから伝えたい」という空気感で成立していたのだと思います。
OMOとは、本来システムの話ではない。ブランドの価値観を、どう横断的に届けるか。そして、その熱量を店舗・EC・スタッフ・顧客まで含めて、どう循環させていくか。
Cotopaxiの取り組みは、その本質を体現していたように感じます。

