【Shopify - ストア分析】RFMに基づくお客様分析とFlowを組み合わせたCRM施策

【Shopify - ストア分析】RFMに基づくお客様分析とFlowを組み合わせたCRM施策

Shopify Edition Winter '25 で追加された機能 ”RFMに基づくお客様分析” について、実際のレポート画面を見ながら解説します。最後に Shopify Emailと Flow を併用した方法も記載しました。CRM を始める初期の一手段として参考にどうぞ。


CRMにおけるRFM分析とは

顧客の購買データを基に下記の3つの指標をスコア化し、グループに分けて分析・アプローチする手法です。

R : 最終購入日 / Recency
F : 購入頻度 / Frequency
M : 購入金額 / Monetary

Shopify が定義した顧客グループはどんな条件で、そのグループに対して対してどんなアプローチをすべきなのかまで丁寧に書かれているドキュメントが用意されています。

参考:https://help.shopify.com/ja/manual/reports-and-analytics/shopify-reports/report-types/default-reports/customers-reports#rfm-analysis

11個に定義されたそれぞれのグループ名もわかりやすいので、どのように顧客セグメントを分けるべきか悩んでいる人や、今までとは異なるアプローチ方法を試したい人など、レポートを見るだけでも試してみる価値はあります。

レポート画面と各グループの名称と条件

まずは実際のレポート画面を見てみましょう。デモサイトなので母数が少ない点はあらかじめご了承ください。

RFMに基づくお客様分析レポート

色が濃くなるにつれてブランドとの関係が強い顧客になります。各名称については Shopify のヘルプページも書かれていますが、改めてここでも記載します。スコアリングの定義は各スコア1〜5の5段階となっており5が一番高いスコアになります。

R / 最終購入日 : 直近が5で遠くなるにつれスコアが下がる
F / 購入頻度 : 頻度が高いと5で頻度が低くなるにつれスコアが下がる
M / 購入金額 : 金額が高いと5で金額が低くなるにつれスコアが下がる

下記の表の並び順はR / 最終購入日が低い(遠い)順になっています。Shopify のヘルプページには各グループに対してどのようなアプローチをすべきか書かれていますので参考にどうぞ。

RFM分析レポート

RFM分析レポートの具体的な活用方法

Shopify では “RFMに基づくお客様分析レポート” 画面から対象のグループの顧客セグメントをすぐに作成できます。Shopifyの顧客セグメント機能はShopify上にあるデータを基に顧客グループを作成できる機能です。

https://help.shopify.com/ja/manual/customers/customer-segmentation

At riskで作成した顧客セグメントのレポート例

RFMレポート At risk

現在のグループから次はどのグループへ向かうのが適切なのかが表示され、顧客セグメントをプレビューするボタンも表示されます。

At riskの顧客セグメント

顧客セグメントが自動で生成されるのはとても便利で、あとはこの顧客セグメントに対してShopify Email などでグループの条件に合わせて適切なメールや LINE などを作成して送るのみです。

とは言え一番大切なのは送るコンテンツの中身なので、コンテンツ作成が一番労力を割かれる部分ですね。

Shopify Email と Flow を組み合わせて配信を自動化する

今回は At risk / リスクがある 顧客グループに属した7日後に Shopify Email で送料無料のディスカウントコードの案内メールを自動送信する方法を書きます。

まずは先ほどの RFM 分析レポート画面で対象のグループの顧客セグメントを表示された後に名前を付けて保存しましょう。

RFM 顧客セグメント保存

続いてディスカウントコードを作成しましょう。資格の部分は”特定のお客様セグメント”を選択し検索から先ほど保存した名称を選択してください。最大ディスカウントは1回を選択し、その他の項目は好きなように設定してください。

ディスカウントコード 資格

最後にShopify Flowのワークフローです。

Shopify Flow ワークフロー

トリガーはShopifyの中にある”Customer joined segment”を選択してください。このトリガーは顧客が指定した顧客セグメントに追加された時にワークフローを開始させます。

参考:https://help.shopify.com/ja/manual/shopify-flow/reference/triggers/customer-joined-segment

Shopify Flow Customer joined segment

さらに先ほど作成した顧客セグメントを選択しましょう。

Flow セグメントを選択する

次に”アクション”を選択

Flow Actionを選択

Flow内にある”Wait”を選択してください。

Shopify Flow Wait

7日を設定しましょう。ここは好きな間隔の設定で問題ありません。

Shopify Flow How long to wait

次も”アクション”から”Send marketing email”を選択してください。

Flow Send marketing email

テンプレートが選択されていませんという表示になるので”テンプレート選択”から好きなテンプレートを選択してください。

Send marketing email template

今回はディスカウントコードを送る流れなので、ディスカウントコードが組み込まれているテンプレート(割引のお知らせなど)が適切です。テンプレート内のディスカウントコード案内周辺をクリックすると右側に”ディスカウントコードを選択する”が表示されるので、そこから先ほど作成したディスカウントを選択してください。

テンプレートの件名やメール文面などは画面上からカスタマイズしても問題ありません。

Send marketing email discount dode

設定が終わったらテスト送信でメール文面や画像の表示をチェックして、問題なければ”アクティブに設定”をクリックしましょう。

Send marketing email active

締めはワークフローに名称を付け、”ワークフローをオン” をクリックして完成です。

Shopify Flow On

CRM の実践における課題

RFM分析レポートと顧客セグメントまで自動生成してくれるだけで十分有難いんですが、一番大切なコンテンツ作成の時間を十分に確保できず挫折してしまう人も多いでしょう。

本来顧客のことも商品のこともブランドの中の人が一番知っているので、中の人が考えて作ったコンテンツが一番適切ではあるのですが、顧客セグメントに合わせたコンテンツを作りたくても他の業務もあり物理的に時間がなければそうもいかない現実があります。

Shopify Email をはじめ各社の配信ツールにはいろいろなテンプレートが用意されているので、テンプレートを活用しながら効率良く適切な配信コンテンツが作成できるといいですね。

また、適切なグループ分けをすればグループを分けた分だけコンテンツを作る必要があり、効果検証とコンテンツの改善もグループ分だけ増えるので、かけた人的工数に対して効果が上がるのか疑問を抱いたまま惰性で全てのお客様に同じメルマガを送ってしまうことは別に悪いことではありません。

CRM と言ってしまうとふわっとしすぎて何から着手すべきかとなりがちですが、実際は目先の売上を上げないと他にやりたい施策どころではない現場もまだまだあると思います。

ブランドとしてファンを増やす一番のテコは紛れもなく良い商品を作る・増やすことなので、顧客に向き合いそこに注力できる時間を維持しながら適切かつ継続的な顧客アプローチもしたい、そんな課題を解決できるプロダクトを開発中なので、公開できる日を楽しみにしています。

Kazahaya Okada
Kazahaya Okada
株式会社Stack / CRM事業部長
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